睡眠を大切にする

日本人は睡眠を軽視しがち

 睡眠と食事と運動が、美容と健康の3本柱です。中でも圧倒的に重要度が高いのは睡眠です。

ところが、日本人はとかく睡眠を軽視しがちです。「眠気は気合と根性で乗り切るべきだ」という、変な武士道精神のようなものが根付いているかのようです。しかし睡眠不足は、肌や体、心にまでとんでもない影響をもたらします。寝不足になると、単に翌日「眠い」とか「だるい」とかいうだけの問題ではないのです。

寝不足と寝だめを繰り返す生活に慣れてしまい、当たり前のように思っている人が多いようですが、慢性的睡眠不足は知らないうちにあなたの肌だけでなく、体も心もむしばむことになるのです。

東京、ニューヨーク、パリ、上海、ストックホルムの5都市で行われた調査によると、東京在住の30~50代の人の平均睡眠時間は5時間39分と、ほかの都市に住む人と比べると最短でした。また、平均就寝時刻が0時を過ぎているのは、東京だけでした。

美肌睡眠のコツ!深夜0時までに眠る

遅い時間に寝ると肌あれの原因に


肌のゴールデンタイムは午後10時から午前2時とよくいいますが、これはどういうことでしょう。

人間の脳は朝起きてから約1時間後に、睡眠に向けた体制に入るようにできています。午前7時に起きたとして、午後9時くらいから睡眠ホルモンが分泌され始めますので、午後0時に寝るということは合理的で。)はあります。「日が昇ったら起きて日が沈んだら寝る」という自然のリズムに適しているからです。

しかし、午後10時に寝るというのも、現実的な話ではありませんね。高校生くらいまでの子供は午後10時には寝たほうがよいのですが、大人の場合は午後10時でなくてもよいでしょう。理想的には0時まで、遅くとも0時半くらいには寝るようにすれば、あまり悪影響は出ないようです。

睡眠不足の肌以外への影響

血糖値が上がる(太りやすくなる)
同じ食事を摂っていても、睡眠を十分とっているときとそうでないときを比べると、睡眠不足のときのほうが血糖値が高くなります。すなわち、睡眠不足は肥満や糖尿病の原因になるということです。また、睡眠不足だと食欲が増すこともわかっています(レプチンという食欲抑制ホルモンが減るためです)。

イライラやうつ傾向が強くなる

睡眠不足や不規則な睡眠が続くと、精神的に不安定になる人が多く、自殺率も高くなることがわかっています。

免疫が低下する

風邪をひきやすくなるなど、病気に対して弱くなります。また、ニキビやアトピー性皮膚炎などの炎症も悪化します。

入眠後3時間を大事にする

入眠後3時間で成長ホルモン分泌が高まり、肌が生まれ変わる

肌は、約4週間のリズムで新陳代謝(ターンオーバー)しています(PB参照)。ところが、この肌の再生は睡眠中におもに行われているということは、あまり知られていません。起きて活動している間に、肌細胞が新しく生まれてくるわけではないのです。

「起きている間は脳に血液の多くが集まります。脳のエネルギー消費量は非常に大きく、それを供給するために血液が流れ込んでいるのです。

睡眠に入ると脳がお休みモードに入り、低燃費運転を開始します。そこで、今度は血液が体の各所、肌や内臓のいたるところにまわって酸素と栄養を送り込み、組織の再生と修復が行われます。人間の体のメンテナンスは、ほとんどが夜間工事ということになります。ビルのメンテナンスなども騒がしい昼間には通常行えませんが、それと同じことです。

とくに、睡眠に入って初めの3時間が重要です。

睡眠中は、深いノンレム睡眠と浅いレム睡眠が約1時間半のセットになって繰り返されています(グラフ参照)。これを4~5セットくらい繰り返して覚醒に向かうのですが、とくに初めの2セットが深い睡眠になり、そこで成長ホルモンの分泌が高まります。その成長ホルモンこそが、若さを維持し、肌を生み出す重要な働きをするのです。「睡眠が美肌の鍵」という根拠はここにあります。睡眠不足だと肌再生が損なわれ、肌あれや肌老化を促進します。けがをした場合なども、睡眠が足りない人は傷口がふさがりにくくなります。

睡眠不足の悪影響は年齢とともに肌に現れやすくなる

とくに、年齢とともに成長ホルモンが減るので、20代のころよりも30代、10代に入ってからのほうが睡眠不足の影響は大きく現れるようになります。肌あれを訴える患者さんに、「原因は睡眠不足かもしれない」とお話しすると、「でも寝不足の生活は、昔からです(だから肌あれとは関係ないのでは?)」とおっしゃる方が多いのですが、そうとはいえないのです。年々減っていく成長ホルモンを、少しでも有効活用することを考えましょう。

朝、友人や家族の顔を見て、「昨日あまり寝ていないな」と感じることがあるでしょう。しかし、昨日ジャンクフードしか食べていなくても、顔を見てすぐにわかることはないですね。女性はとくに食事ばかりを重視しがちですが、睡眠のほうがすぐに肌に影響が出るのです。

体のサインに耳を傾ける

肌は「内臓を映す鏡」といわれます。体の中のどこが不調でも、肌はそれを映し出してしまいます。便秘になるとニキビができる、ストレスで湿疹ができるといった経験のある人も多いでしょう。「健康よりも美容が大事!」という女性が多いですが、それはできそうでできない相談なのです。
慢性的睡眠不足、胃もたれ、便秘、下痢、冷え症、むくみ、頭痛、肩こり、腰痛、貧血ひとつもあてはまらないという人は少ないのでは?

これらのプチトラブルは、体からのサインです。体のサインに耳を傾け、肌をいたわるのと同じくらい、自分の体をいたわりましょう。そういう自分への細やかな気配りが、自然と「体の中から輝く美しさ」につながっていくのです。

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